人の噂もほどほどに

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「ちょっと、平次!何なんコレッ!?」
 留守の間に、勝手に部屋を掃除していたらしい和葉は、その主が帰るなり開口一番、怒鳴りつけた。
 見ると、汚いものでも触るかのように親指と人差し指で、派手な色合いの雑誌をつまみ上げている。表紙にはセクシーなお姉さんが悩殺ポーズを決めていたりする。
「何って…見たら分かるやろ?お前、この年になって知らんとかいう訳やあらへんし」
「アホッ!そういう意味ちゃうわ!こういうもん、平気でそこら放っとかんといてって!気色悪いやんッ」
「キショいとはどういうこっちゃ、キショいとは。お前かて毎晩オレとやっ…」
「言うなッ!どういう神経しとんの!?あと、毎晩ちゃうやんか!!!」
 真っ赤になって訂正しながら、和葉はその雑誌を平次の顔面目がけて投げつけた。
「もう〜、どうしてアンタはそうやの…蘭ちゃんに訊いたら、工藤君はそんなん一切持ってへんて言うてたで」
「はぁ?あいつがか?絶対あり得へんわ。どっかに巧妙に隠しとるんちゃうか?」
「アンタこそ巧妙に隠したらどうなん?」
「それやなかったら、あいつ異常やで。男として」
 和葉のツッコミを受け流して、平次は眉を顰めた。
「みんながみんな平次みたいなんとちゃうねん」
「オレがまっとうやっちゅーねん!ええか?男っちゅーもんはな、それが自然な生理現象なんや。ない方がおかしいて。あいつ病気やないか?」
「病気って…平次の方が病気に見えるわ」
「アホか。工藤が決起不能なピ―――でもない限りは、考えられへんで。…まぁ、ねーちゃんとは普通にヤッとるみたいやから、それはないやろけど…まさか、あのねーちゃんだけでコト足りてるっちゅーことかもしれへんな」
 前半の下品な部分を何とかスルーして、和葉が首を傾げる。
「コト足りてる?」
「あいつ、ああ見えてムッツリスケベやさかいな。独占欲かて人一倍やし、ねーちゃんのこととなると一直線すぎて怖いくらいやろ?ある意味、ビョーキやで。あいつの頭ん中じゃ、あのねーちゃん、どんな恥ずかしい…口に出せへんようないやらしい妄想されとるか分からへんで」
「工藤君はそんな人やあらへんもん!」
「お前、あいつの何を知っとるんや!そない仲ええんか?工藤と」
「…や、蘭ちゃんから聞いただけやけど…」
 余計なやきもちを妬かれそうになって、ごにょごにょと口篭る。
「ちゅーか、オレのが仲ええわ、工藤とは!!オレにはよう分かっとるっちゅーねんッ!」
「そらそうやろうけど…」
 どこへ向かったやきもちやねん、と心の中で呟く。
「工藤のことやろうから…裸は当然として、コスプレとかもさせとるな。ナースとか好きそうな顔しとるやろ?ほんでピ××××して、ピ□●△◎◆させたあと、現実じゃとてもやないけど頼めへんようなピ◎※★*■とかピΦζΨδБなんか…」

「ちょ、ちょ、ちょっ、ちょっとおお!待って、タンマッ!!」
 今までの人生の中で聞いたこともなければ、想像すらできないような過激な言葉をサラリと並べ立てられて、和葉は首まで紅く染め、頭をブンブンと振った。聞かなければよかった…
「男はみんなこんなもんやで?覚悟しときや」
 何を?と訊こうとして、怖くてやめた。それよりも先に言っておかなければならないことが。
「…そ、それはしゃあないかもしれへんけど…しれなくなくないかもしれへんけど…せやけど、でも…ら、蘭ちゃんの想像すんのは、や…やめてや」
「は?」
「そりゃ蘭ちゃんはスタイルええし、可愛ええけど…工藤君にも悪いし、それに…」
 平次にはアタシがおるやん…と消え入りそうな声で呟くのに、平次は怪訝そうな顔で。
「誰があのねーちゃんの妄想すんねん。そんなんしたら工藤に殺されるわ」
「やって、コスプレとか…ナースがどうとかって…」
「それは工藤の場合やろ。オレはコスプレだのナースだのに興味あらへんて」
「ほ、ホンマに…?」
「オレはセーラー服のお前でええねん」
「セーラー服が趣味なん!?」
「ちゃうわ!中身が大事やっちゅーこっちゃ」
 と言って、和葉の全身に目を向けるので、「へ、変な目で見てるッ!?」と退くと。
「何が悪いねん。オレがお前をどんな目で見たってかまへんやろ」
 そ、そらかまへんような…と言い淀んで。
「ほんなら、何であんなやらしい本、持っとるん?平次はアタシだけじゃ飽き足らへんのん?」
 再び浮かび上がった疑問に、和葉は悲しげな表情をする。何て可愛いことを言ってくれるのだろう。
「ああ、アレか。アレはな…」
 勿体ぶった口調で言って和葉を見やると、平次は意地悪くニヤリと笑う。

「アレ見ながら和葉の妄想するんが、めっちゃ燃えるんやないか」


「…っ!なっ、なっ、な…」
「今夜はコレなんかどうや?なかなかすごいプレイやなァ…お前、一晩もつか?」
「や、やめて!見せんといてッ!…ひゃあぁあ〜!!」




 END



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あとがき。

最初に謝っておこう。ホントすいません…ピーとか入れたら面白いかな?っていうギャグのつもりだったんですけど、コレはちょっと…(-_-;)よく没ネタコーナーに持っていかなかったな、自分…
普通に平和書こうと思ったら、平次はなかなか動かないのに、こういうネタだと何でかこういうイメージになっちゃうんですが…私の頭の中の平次はおかしいです。
私の中で勝手に、新一はナース好き設定が定着した模様。ナースは新一っていうか、私が好きなの!(変態話やめれ)
個人的には、和葉ちゃんにはウェイトレスさんかメイドがいいです(知らん)
こんなところで私信…というのも何ですが、内容が逆の意味でかぶってしまってすいませんって言ってしまって、コレなんですけど、これはただ単に下品なだけで似てるとか言う方が失礼な気もしないでもないので…とにかく本当にすみませんでした…!
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