| だけど、見上げる空は その瞳と同じ色 ---------------------------------- その瞳に映るのは、きっとわたしには見えない透き通った景色。 その背中が目指すのは、きっとわたしには手の届かない遥かな世界。 遠く、自由に駆け回るその足を、永遠に止めてしまえるのなら。 あなたがわたしの元から飛んで行ってしまわないようにできる? …なんて。 頭の片隅で抱くわたしの小さな暗闇など、あなたは知りもしないで。 今日もまた、風のように目の前から消えて行ってしまう。 「新一!!」 行かないで。その一言が、危うく喉まで出かかって。 「…気を付けて」 そう言って、送り出すことしかできないわたしの歪んだ顔を。見つめる彼の目は、不思議そうに揺れているのに。 「ああ、行ってくるな」 あっさりと背を向けられたことに、チクリと胸が痛む。 「・・・・・ちゃんと、帰ってきなさいよ・・・・・」 小さく呟いて、聞こえるはずもないと伏せた睫毛に、柔らかい口調が降ってきた。 「バーロ、あたりめーだろ!」 一瞬だけ向けられた横顔に。 いつもの、自信と活力に満ち溢れた表情を感じ取って。 軽やかな足取りで駆けていく後ろ姿が、少し憎たらしい。 そんな、彼らしい様子に笑顔を返して、見送ってしまう自分自身も。 きっと、誰も止められない。 例え足を失っても。 誰にも奪えない、眩しい翼があるのだから。 END -------------------- あとがき。 タイトルはけっこう気に入っているんです(^_^;) ずいぶん初期の頃にできた話だったような…(サイト開設当初かなぁ) |
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