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片想いダイヤル ---------------------------------- ピ・ポ・パ・ポ♪ * * * * * * 「なんじゃ」 もしもし、でも、おはよう、でもなくて、ぶっきらぼうでつっけんどんな第一声。 それでも、ちゃんと出てくれたことに、ひとまず安心する。 「おはよう、平次」 「…おぅ、っちゅーか何やねん。こんな早ぅに…」 ぶつくさ言う割りに覇気がないなァ…寝起きやからやろか? 急に起こされて不機嫌って感じちゃうくて、どっか気の抜けたみたいな。 「平次、ただでさえ学校サボって事件解きに行くやろ?せめて遅刻だけでもせぇへんように、起こしたったんよ」 さよけ、と同時に欠伸の声。しばらく無言。 サボって…っちゅーんは人聞き悪いで、とかボソボソ言うとる。 「お前に起こされんでも、ちゃんと学校行っとるわ。何で朝っぱらからお前の気色悪ぅ声、聞かなアカンねん…」 「気色悪ぅて悪かったなァ…やったらもっと可愛ええ声出したろか?その方が目ぇ覚めるやろ?」 「…勘弁しろや」 ほんまに嫌そうに言うから、少しだけムッとする。…けど、許したるわ。 急に電話してるん、こっちやし。 「怒っとる?」 「あ?」 「…迷惑、やったらヤメるわ…」 しおらしゅうなって、泣き声で言うてみる。平次は意外と、コレに弱いねん。 アタシが泣くんは苦手みたいやわ。何でか知らんけど、昔っから。 「べ、別に、迷惑とかそんなん、ちゃうし…」 「ほんまに?」 「せやからな、そうやのぅて…そんなんお前が気ィ遣うことないっちゅーてんねやんか」 狙い的中や。よっしゃ、あと一息。 「うん、けど…」 「けど?」 「…平次と一緒に、進級したいねん」 「・・・・・・・・・・そ、」 そ?何でそこで詰まるん? 「…そか、そや…な。分ァっとるわ」 ほら、な?可愛ええ声聞いたら、目、覚めるやろ? いつもやったら、いらん心配するなや、とか、何企んでんねん、とか言うてくるわ、絶対。 けど、やけに素直な返事。今、どーいう顔してんねやろ。 電話越しやから、微妙なトコが分からへん。見えへん分、探り合うてる。お互い。 「…迎え行くわ」 「へ?」 「せやから、学校!そない心配やったら、迎え行くから待っとれッ!!」 啖呵切られて、ちょいビックリしてもうた。 いつもは、アタシが平次ん家に押し掛けてかへんと一人で勝手に行ってまうのに。 いつもは、「お前にお供されんでも行けるわ!ガキやあるまいし」とか言うクセに。 「…う、ウン…分かった」 「…ったく、けったいなこと思い付きよって…もう掛けてこんでエエからな!」 イヤや。電話口であかんべしてやった。 「ほな、待ってるで?」 「ああ…ほなな」 そう言って、あっさりと通話を切られた。 困ってんのか、呆れてんのか。ひょっとして、照れとるん? 顔は見えへんけど、妙に優しい声やったな。 …とりあえず、第一段階クリアってとこやね。 明日も掛けたる。明後日も掛けたる。 休みでも、どこにいても、出てくれんでも。 ほんで、またどっか勝手に行ってしもても。 毎日。決まった時間に。…一度だけ。 絶対に掛けたる。 もしすれ違ってしもて、アタシの声が聞かれへん時に。 平次が。 ほんのちょっとでも…寂しい、とか。 思ってくれたら。 …そん時は、アタシの勝ちやね。 END -------------------- あとがき。 名付けて、「和葉ちゃんのモーニング・コール大作戦!」です(意味不明) いや毎日会ってるけど、モーニング・コールっていうのが特別な感じというか…まぁ、そんなような。 平次の気が抜けてるのは、朝早くに急に和葉から電話がきて、何かあったんじゃないかと一瞬、考えてしまった(…けど、平静を装って電話に出た)のに、和葉があっけらかんとしてたので、びっくりさすなや(怒)っていうのと心配したやろ(疲)ってのからきてる…んだったらいいなっていう勝手な裏設定(分かるか) |
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